絶賛発売中!(2017年11月29日発売)


[文・絵]石塚克彦 [写真]英伸三 [発行]農文協 四六判・576 頁 3,500円(税別)

「ミュージカルのまわり道」パンフレット(PDF,262kb)
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 内容の「土着性」や「草の根的活力」あふれ舞台づくりが大きな評価を得てきた「ふるさときゃらばん」のミュージカル。
その脚本・演出を一手に引き受けてきた石塚が他界して今年で三回忌を迎える。
 本書は、彼が劇団ふるさときゃらばんの季刊誌『ふるさときゃらばん』に15 年間(1994~2008年、全40回)にわたって綴ってきた全エッセイを再編成して収録する。
 観客の心をとらえ、親しまれてきた石塚ミュージカルの背景と真髄、そのバックボーンとなる幼少期から青年期にいたるエピソード、またミュージカル上演に至るまでの道のりなどが熱く語られる。
 ミュージカルを通じて彼が語りたかったこと、伝えたかったことが、未来へのメッセージとして読者の前に現出する。石塚ファン待望の記念出版発売中!

【刊行にあたって】
〝地芝居ミュージカル″脚本演出家の私的な呟き

第1幕 石塚ミュージカルの原点とその周辺
山揚げ祭で知られる栃木県烏山町(現・那須烏山市)で生まれ育った石塚。利かん気が強く、そのしっぺ返しも多かったが、よき家族や仲間、先輩、先生と過ごした幼少・青年期の体験は実に濃厚だった。そこには石塚ミュージカルにつながる物語りがあふれている。

わが母校・興野小学校の学芸会
芸との初めて出会い・村上曹長の赤城の子守唄
本物の芸との出会い・山本東次郎の翁の腹芸
わが家を劇場にした旅の芸人
ツバメと田んぼとお婆さん
大人への一歩・十三参り
天王祭の山揚げ地芝居
戦後腹ぺこ時代の出来事
赤い夕陽が校舎をそめる
版画家たちがくれた美の心
奈良のもうひとつの大学
合唱との出会い・二月堂修二会の声明

第2幕 身近にいた物怪や妖怪たち
石塚の幼少期、人も獣も物怪も同じ世界にくらしていた。だから、狸や狐にだまされる体験がごくふつうにあり、また鬼や天狗、河童も空想なんかではなく、その存在をごく身近に感じることができた。石塚ミュージカルが描く獣や物怪たちの物語りの原点をここにみる。

人と獣と物怪が同じ世界にくらしていた
日本の人の身近な妖怪(1)天狗
日本の人の身近な妖怪(2)河童
日本の人の身近な妖怪(3)鬼
[グラビア]
ふるさときゃらばんの世界 英 伸三(写真家)

第3幕 ミュージカル制作現場の顛末
石塚は劇団新制作座と出会い、舞台美術の仕事をするうちにシナリオライターの道に転身し、劇団ふるさときゃらばんを発足させた。1200自治体、4700回を超える公演で心に止めたこと、出会った人々などなど、ミュージカルの制作現場での顛末が語られる。

日本芸術家組合で学んだこと
わが師匠・山形雄策からの教え
心に残る三つの名作
カントリーミュージカル事始め
北海道月形町での手痛い体験
「ザ・結婚」の取材でみつけたモノ
狐の物語「桔梗ヶ原の玄蕃之丞」
日米合作ミュージカルへの道(1)企画スタートはノリで
日米合作ミュージカルへの道(2)自由と民主主義の国アメリカ
日米合作ミュージカルへの道(3)アメリカのライスフェスティバル
地域の中に生きている地芝居・飯地歌舞伎
赤城山麓の歌舞伎小屋
旅ゆけば劇場の話

第4幕 日本列島をキャラバンすると
福岡県星野村(現・八女市)で石塚は棚田と出会う。効率優先社会のなかで忘れられていたムラの遺産を後世に引き継いでいこうと棚田サミット立ち上げに奔走する。つねに現場との対話のなから題材を見出し、物語を紡いでいく石塚ミュージカルの真髄をここにみる。

 日本の原風景・棚田を守れ!
 世界は広く驚きがある
資料1 石塚克彦&劇団ふるさときゃらばん・新生ふるきゃら 年譜
資料2 山形雄策「統一劇場の十四年に想う」
資料3 福田定良「堅気の人々の喜劇-石塚克彦への手紙」
解説 石塚克彦の遺したもの 岸康彦
あとがき
初出一覧
執筆者略歴・出版協力者一覧


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